Il Nodo di Salomone(イル・ノード・ディ・サロモーネ)
古代のモザイクアート(モザイク遺跡)には、様々な文様がデザイン的に使われています。館(やかた)の床や、教会壁面などの建築空間を埋め尽くすように装飾した幾何学文様のモザイクアート。「ソロモンの結び目」と名付けられた縄目文様もその一つ。始まりも終わりもない縄目をシンボル化したものです。
「ソロモンの結び目」は、「ゴルディアスの結び目(ゴーディアンノット)」(Nodo gordiano)とも呼ばれ、根源的な文様です。
初期キリスト教時代には、広く普及し、一種の十字架を形成しています。意味は、時間の流れの中で変化し、神と人間の深遠(しんえん)な結びつき(融合)や、初期キリスト教美術では、愛の結びつき、神聖で不溶性の絆を象徴しています。
幾何学文様の意味合いも興味が尽きないモザイクアートの魅力
古代ギリシア、エジプト、ローマ時代に目覚しい発展を成し遂げたモザイク芸術。神話など写実的な場面を小さな石で描く技法は高水準に達していました。同時に、貴重な写実モザイクの周辺を、工夫を凝らした様々な幾何学文様のモザイクが囲み、広い床空間を形成しています。
デザイン的な装飾性はそれだけで素晴らしいものです。「ソロモンの結び目」のように、文様に隠された神秘な意味合いを探るのも、モザイクアートファン(マニア)の楽しみの一つと言えるでしょう。
ゴルディアスの結び目伝説
複雑な縄目を解けと迫られたアレクサンドロス大王が、剣で縄目を一刀両断に断ち切ったという伝説から、難問を解決するには思い切った手段が必要だというたとえ。
「ソロモンの結び目(il Nodo di Salomone)
起源はあいまいですが、結び目は、神秘性や動き、季節の移り変わりなどの周期性も示唆し、同じく古い根源的な文様「卍」にも関連づけています。
反偶像主義の伝統的な原型(幾何学)で、古代ローマ時代の都市、オスティア、アクイレイア 、ポンペイ、その後のキリスト時代に入っても引き続き数多くの例が認められる文様です。
空間恐怖の克服
広大な空間に”中心”を見出し、空間を造形的に”閉じる”ことで、古代人は、恐怖心を克服してきた背景が根源的な文様の意味合いに含まれています。現代人が結び目や、渦巻に惹かれる理由も、心の奥底の魂に響きあう力が秘められているのかもしれませんね。
オプス テッセラトゥム/Opus Tessellatum
1センチ角程度の四角(立方形)に切った石や大理石(テッセラ)を、組み合わせて絵柄を作るモザイクの手法は、紀元前3世紀頃には確立したとされる。研究家により時期は定まっていない。アレクサンドロス大王の肖像で知られるモザイクは、オプス フェルミクラトゥム(Opus Vermiculatum)を呼び、数ミリのテッセラで構成される。
参考
Teoria e tecniche per la sonservazione del mosaico /Cesaere Fiori-Mariangela Vandini
Simbologie medievali e rinascimentali: il NODO DI SALOMONE
Il nodo di Salomone: un simbolo per l’umanità Fortuna bimillenaria di un segno
唐草文様 立田洋司
Wiki
ナホミモザイコのモザイクアート作品や実績に関するお問い合わせや、
仕事のご依頼につきましては問い合わせフォームよりご連絡をお願いします。