ラヴェンナは、世界遺産の街
北イタリアの小都市、ラヴェンナは、古典末期キリスト教美術の宝庫です。ラヴェンナの初期キリスト聖堂・礼拝堂群、内部空間を荘厳に飾るモザイク芸術を含めて、1996年世界遺産に登録されました。
ラヴェンナは、北イタリア・ラヴェンナ県都
ラヴェンナ(Ravenna)は、北イタリアのロマーニャ州ラヴェンナ県に属し、人口約15万人の県都です。ボローニャから東へ80キロ、列車では、ローカル線で1時間かけ、のんびり旅します。ベネツィアからアドリア海に沿って南下し、150キロに位置します。
国鉄のラヴェンナ駅から街の中心地、ポーポロ広場(Piazza del Popolo)までは徒歩10~15分ほど。ポーポロ広場から、街のショッピング・ストリート、チェントロ・ストーリコ(Centro Storico)はわずか5分です。近年改装されたおしゃれな中央市場(Mercato coperto)を始め、チェントロ・ストーリコには華やかなモードショップや、バールが並んでいるので、歩くだけでも楽しいです!
平坦なラヴェンナ中心地区は、自転車での移動が便利。ラヴェンナっ子(ラヴェンナーテ/ravennate)達がさっそうと自転車で走る姿が印象的です。主要文化遺産も徒歩で回れます。日本のツアーだと半日観光が多いのですが、再開発の進むラヴェンナには、アンテナショップも続々とオープン、モザイク体験もできる魅力的な小都市。滞在型でのんびり、ビザンティン芸術の街ラヴェンナを味わってみてくださいね!海が近いので、夏のショートステイもオススメです。
日本からラヴェンナへのフライトは乗り継ぎ便を利用して、ボローニャ空港利用が便利です。
ラヴェンナは、古代ローマの港として開かれた
アドリア海とポー川の潟に囲まれた古代ラヴェンナは、アドリア海有数の港として、ローマ帝国初代皇帝アウグストゥス(前27〜後14)時代軍港が整えられ、その後、街の人口増加に伴い、海から離れた内陸のラヴェンナにも商港が作られ発展しました。
ラヴェンナ遷都 402年西ローマ帝国首都に
ホノリウス帝(393〜423)時代、西ローマ帝国首都をミラノからラヴェンナに遷都。ラヴェンナは地方都市から一変して、ローマ帝国皇帝にふさわしい壮大な都市として、公共建造物や、教会が建設され、内部は美しいモザイクで飾られました。476年帝国が滅びるまで、西ローマ帝国最後の都として栄えたのち、イタリア半島を支配した東ゴート王国の都となりました。
ラヴェンナ・ビザンティン帝国 イタリア総督府6世紀
イタリア全土が東ローマ帝国(ビザンティン)の支配下におかれ、ラヴェンナには、ビザンティン帝国のイタリア総督府が置かれた。6世紀(584-751頃)がラヴェンナ栄光の時代です。
ラヴェンナの支配は西ローマ帝国から異民族、東ゴート族、ビザンティン帝国(東ローマ帝国)へと時代の波に翻弄され移り変わりながらも、皇帝や皇后(こうごう)の命のもと、モザイク芸術はきらびやかに育まれました。
今日ラヴェンナは、世界有数のモザイクの都として知られています。
ラヴェンナの初期キリスト教建造物群/Monumenti paleocristiani di Ravenna とラヴェンナ の見どころ
サン・ヴィターレ聖堂 5世紀半ば/la basilica di San Vitale
ガッラ・プラキディア霊廟(れいびょう)5世紀半ば/Mausoleo di Galla Placidia
大聖堂付属(正統派)洗礼堂(ネオニアート洗礼堂)/il Battistero Neoniano
大司教館礼拝堂/cappella Arcivescovile
サンタポリナーレ・ヌォーボ聖堂/basilica di Sant’Apollinare Nuovo
テオドリック廟/il mausoleo di Teodorico
アリアーニ(アリウス派)洗礼堂(異端派)/battistero degli Ariani
サンタポリナーレ・イン・クラッセ聖堂/basilica di Sant’Apollinare in Classe
サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ教会(Basilica di San Giovanni Evangelista)
サン・フランチェスコ聖堂/Basilica di San Francesco
後記:始めてモザイクを制作したのが1994年。ラヴェンナの夏季セミナーでの体験でした。あれからまもなく30年を迎えようとする今も変わらず私はモザイクに魅せられています。心を掴んではなさいモザイクアートとは?
岡田七歩美の命題に向かい合う旅が、モザイクの旅であったのでしょうか?留学時代からこれまで視覚最優先でモザイクを見てきた不足分を、信頼のおける資料をもとに個人の利用目的でまとめています。ご指摘等ございましたらお知らせ願います。本文内容の無断転用はお控えください。
参考資料:イタリア12小都市物語 小川煕, wikipedia
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