2025年・令和7年モザイクアート振返り

ナホミオカダ モザイクアート教室 実績・作品

ナホミモザイコの令和七年を振り返って

令和7年を振り返ると、
「うまくやれた一年」ではなく、
「信じて続けた一年」だったと感じています。

令和5年、6年と続いていた大型案件がひと区切りを迎え、
表面的には、少し静かな一年に見えたかもしれません。
けれどその分、年のはじめからモザイクアート教室へのお申し込みが再び動き出し、
一年を通して、たくさんの新しい出会いが生まれました。

作品をつくる場に、
初めてモザイクに触れる方が加わり、
それぞれの配置が、それぞれの時間として残っていく。
その積み重ねが、今年のナホミモザイコの中心でした。

年初には、ホームページをご覧になり、
「私、これが好きだと感じました」
そんな言葉とともにお申し込みくださった方がいました。

また、以前からタイルに興味はあったものの、
通える教室がなかなか見つからなかったそうで、
姉妹で一緒に参加してくださったことも、印象に残っています。
こうして、新しい生徒さんとの出会いが、静かに増えていきました。
短い時間でしたが、アメリカから参加してくださった方もいて、
モザイクを通して、感覚が静かに通じ合ったことを、
とても嬉しく感じました。

大理石のモザイクアート体験 ナホミモザイコ

<春の章>令和7年振り返り

春には、イタリアへ渡り、
スピリンベルゴ、そしてアクイレイアを訪れました。

長い時間をかけて受け継がれてきたモザイクの土地で、
伝統的なモザイクの専門学校や、
ポンペイのモザイクにも直接触れる機会を得ました。

特別な発見があったというよりも、
「自分が大切にしてきた感覚は、間違っていなかった」
そんな静かな確信を持ち帰った旅でした。

アクイレイア遺跡 イタリア2025

「野方散歩」

春にはまた、久しぶりにテレビ番組「野方散歩」の中で、
ナホミモザイコの活動をご紹介いただく機会もありました。

番組をご覧になった方の中には、
「あ、これ私がすること!」
と直感的に感じてくださった方もいて、
その後、教室へのお申し込みが続きました。

説明を尽くしたわけでも、
特別な言葉を用意したわけでもありません。
それでも届いたのは、
これまで信じて続けてきたこと、そのものだったのだと思います。

教室に来られるお客様の多くは、
最初、とても緊張した表情をされています。

「ちゃんとできるだろうか」
「失敗してはいけないのではないか」
そんな気持ちを、静かに抱えて来られる方も少なくありません。

けれど、タイルを手に取り、
一つ、また一つと置いていくうちに、
その緊張は少しずつほどけていきます。

正解も見本もないこと。
やり直しがきかないこと。
それでも大丈夫だということを、
言葉ではなく、手の感覚で知っていく時間です。

中には、
「これは自分が好きなことだ」
「私には向いている」
そう感じながら制作を続け、
毎週教室に通ってくださった方もいました。

上達したから続いたのではなく、
評価されたからでもありません。
ただ、その時間が、自分にとって自然だった。

令和七年は、
そんな瞬間に何度も立ち会えた一年でした。

<夏の章>令和7年振り返り

初夏には、
戸田市の認定こども園の看板制作に携わる機会をいただきました。
認定こども園の看板制作では、
硬質なレンガの門構えに、
少し手触りのある、あたたかさを添えたいという思いから、
ナホミモザイコをお選びいただいています。

子どもたちや、そこに集う人たちの日常の中に、
長く在り続けるものとしてモザイクを置く。
完成した看板を前に、
モザイクアートが「作品」であると同時に、
「風景の一部」になる瞬間を、改めて感じました。

<真夏の章>令和7年振り返り

真夏日が続く頃には、
万博で賑わう大阪・大正区にある伝統校にて、
創立150周年を記念した全校制作に携わりました。

世代も学年も異なる子どもたちが、
同じ一枚の中にタイルを置いていく。
完成を急ぐのではなく、
それぞれの手の動きが、そのまま残る制作でした。

暑さの中でも、
集中する時間と、笑い声が自然に混ざり合い、
150周年という時間の上に、
また一つ、新しい層が重なったように感じました。

大正区創立150周年小学校 モザイクアート全校制作 令和7年度


<秋の章>令和7年振り返り

教室に通ってくださる方が増えたことをきっかけに、
9月には、東中野にてプチ展覧会を開きました。
目的は、発表の場をつくることよりも、
生徒さん同士が出会い、言葉を交わせる時間を持つことでした。

いつもの工房という小さな空間から一歩外に出て、
美しいギャラリーで自分の作品を見る。
そのときに、作品の印象がどう変わるのか。
そして、同じ空間に並んだとき、
私自身の作品がどう立ち上がるのか。

そんなことを、
みんなで同時に確かめる時間でもありました。

展示の合間には、
その場でワークショップも行い、
一斉に手を動かす集中した時間と、
ふと交わされる会話が、自然に行き来していました。

作品を見ること、つくること、語ること。
それらが分かれることなく、
一つの流れとして在った一日でした。

同じく9月には、
昨年、記念行事に関わらせていただいた学校の保護者様聖書研究会の活動から講座のご依頼をいただきました。

テーマは、
「モザイクアートで知る聖書の世界」。
ラヴェンナのモザイク芸術を手がかりに、
聖書の世界を、言葉ではなく、
配置と光の感覚から体験する内容でした。

初めてモザイクに触れる方も多い中で、
制作を通して、
物語や祈りが静かに立ち上がっていく時間となり、
講座後には、深く心に残ったという声も寄せられました。

<晩秋の章>令和7年振り返り

晩秋になり、少し時間が落ち着いた頃、
ようやく、以前に施工した建築の現場へ戻り、
作品の写真を撮影することができました。

完成直後ではなく、
人の手や時間が重なった空間の中で、
モザイクがどのように在っているのかを確かめる。
そのための撮影でした。

置いたときの美しさだけでなく、
使われ、暮らされる中で、
風景の一部としてどう息づいているのか。
それを見届ける時間も、
私にとっては制作の続きです。


令和7年振り返りまとめ


令和7年は年のはじめから、
作品をよりよく伝えるための取り組みも続けてきました。

手持ちのカメラであるソニーの機材を使い、
作品撮影の技術を見直すために、
いくつかの講座にも足を運びました。
また、アドビーの編集ソフトにも、改めて向き合っています。

どちらも、思うようには進まず、
なかなかうまくいかないと感じることのほうが多いのが正直なところです。
それでも、少しずつでも、
今の時代にふさわしいかたちで、
作品や活動をお伝えできるようにと、試行錯誤を重ねています。



こうして一年を振り返ると、
制作、教室、外部の現場、そして学びが、
それぞれ別のものではなく、
一つの流れとして続いていたことを実感します。

来年は、モザイクアートの新しいご案内を含めて、
展示会を開くことも計画しています。
その準備として、予算の申請作業にも取り組みました。
慣れない作業に時間をかけながら、
それでも、次の場をひらくために必要な一歩だと思い、進めました。

モザイクアートは、
完成した作品だけでなく、
つくる時間や、関わる人との間に生まれるものも含めて、
育っていくものだと感じています。

モザイクアート教室では、来年も、
初めての方が安心して手を動かせる時間を大切にしながら、
制作を続けていきます。

同じ材料を使っても、
一人ひとりが割り、置いたモザイクピースの配置は異なり、
その違いが、そのまま作品として残ります。

そんな時間が守られる場を、
これからも大切に続けていきたいと思います。

モザイクアーティスト 岡田七歩美


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