北イタリアのアクイレイア は、ヴェネツィア商人が栄えるよりもはるか昔、古代ローマ時代、紀元前2世紀に辺境の防衛基地として建設された港街です。やがてアドリア海を舞台とした東方貿易の拠点となりました。
アクイレイア ・アクセス
アクイレイアは、北イタリアのヴェネツィアから東へ、トリエステに向かう途中に位置します。ベネツィアから88km、トリエステから西へ35km。
車ではA4の高速道路、casello di Palmanova出口からAquileia e Godo の表示に従いSR 352へ。
列車では、ヴェネツィアートリエステ間を走る鉄道利用。最寄駅は、セルヴィニャーノ-アクイレイア-グラドCervignano-Aquileia-Grado駅下車。アクイレイア 行き高速バスも出ています(Saf 社 Apt社)
イタリア・アクイレイア ・アクセス
アクイレイア 再訪
日本人にはまだあまり知られていないアクイレイア は、少し前、かれこれ20年前(1996年)は、空高く鳴り響く鳥のさえずりが耳に心地よい静かな田舎街でした。留学時代ラヴェンナから列車にゆられ探るようにたどり着いた日を懐かしく思い出します。
イタリア観光ハイライトのローマ、フィレンツェ、ヴェネツィアとは比較にならないとしても、1998年世界遺産認定後、近年モザイク観光施設の整備が進んでいます。
2018年のアクイレイア視察再訪は、20年前は直接手で触れられたモザイク遺跡が、ガラス越しの見学となったり、新しい美術館に治められたり、閉鎖地区となっていたり、時の流れを感じるものでした。言葉も情報もおぼつかず、「ただ見たい、自分の目でモザイクを確かめたい。」という突き動かされる純粋なエネルギーで巡り歩き撮影した写真記録は、今となれば貴重なものだと知るのでした。
アクイレイア 観光
古代都市アクイレイアは、フォルムや、競技場も、円形劇場も建設された国際都市でした。アクイレイア に残る大聖堂と、アクイレイアを南下しアドリア海に面する港町のグラードと合わせると2泊は滞在したいもの。
~A Q U I L E I A~
~ア・ク・イ・レ・イ・ア ~
耳慣れない言葉なのだけれども、なんとも美しい響きではないですか?
アクイレイア 大聖堂や、博物館、隣接する港街グラードには、モザイクファン(オタク)ならば、見逃せない、古代ローマと生まれて間もないキリスト教の狭間に揺れる、世界でここだけで鑑賞できる素朴で魅力的な床モザイクが現存し、この街に来ることでしか味わえない古代モザイク装飾の世界を満喫できるのです。
異教とキリスト教の間
おおざっぱに「古代ローマと生まれて間もないキリスト教」としましたが、故、名取四郎氏によれば、”異教(ヘレニズム)世界とキリスト教世界との間のためらいがちな揺れ” とされる ”古代から今に至る地中海文化が担わざるを得なかった宿命” としての垣根のないモザイク表現に出会うことができるのです。それぞれ詳しくは次の回でご紹介するとして、アクイレイア 三箇所の見所をご紹介します。
アクイレイア 大聖堂の二つの古い教会を合わせた床モザイク装飾の大きさは、1500平米。主に、植物、家畜、海産物や花々、四季の擬人像などの世界の豊かさを唄ったもの中に、旧約聖書預言者ヨナの物語が三場面挿入されているのが特徴です。
合わせて、カトリック最初のベネディクト会修道院を改装した博物館と、繊細なモザイク断片が多く展示されているアクイレイア国立考古学博物館が必見です。
アクイレイア大聖堂 /La Basilica d’Aquileia
アクイレイア 初期キリスト教博物館/il Museo Paleocristiano di Monastero
アクイレイア国立考古学博物館/il Museo Archeologico Nazionale di Aquileia
アクイレイア のモザイクさらに詳しくは、次の機会にご紹介します。ここまでお読み頂き、ありがとうございます。この時代にご興味を持たれた方は、名取先生の書籍がオススメです。
参考図書
「地中海都市紀行」古代キリスト教美術を訪ねて 名取四郎 岩波書店 2005
「キリスト教美術の源流を訪ねて」1 イタリア編 名取四郎 教文館 2006
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