2022年1月14日いよいよ、東博で待望の特別展「ポンペイ」が始まりました。この度の注目はなんといっても、ポンペイ 旧家「ファウヌスの家」出土の細密なモザイクの数々。
ナポリ国立考古学博物館から、どのモザイクが来ているのか興味津々。週明けて1月18日(火)混雑する前に、さっそくチェックしてきました。
オプス・ウェルミクラトゥムとは?
opus vermiculatum(オプス・ウェルミクラトゥム)とは、モザイクアートの一技法です。
数ミリの角形(長方)にカットしたテッセラ(モザイクピース)で、神話や哲学、肖像や、静物なども描き、邸宅などの床を装飾した芸術です。
西洋絵画の歴史よりはるか昔、先駆的に超写実表現が完成しているのには驚くばかり。四角い石を並べることで、陰影を表現する技法の発見です。
オプス・ウェルミクラトゥムの観察ポイントは、細かさや主題だけでなく、写実的に対象を描いた点。テッセラは、主に石材。遠近法の発明とか陰影とか、一般的な美術史で習うことは、モザイクの時代より、うんと後の時代です。
もともとは、床を装飾するモザイク
細密モザイクのオプス・ウェルミクラトゥムに限らず、この時代のモザイクの目的は、邸宅や公共施設の床装飾でした。
床そものもを作る時に、装飾的な絵柄を組み込んだ、実用的な建築装飾技法だったのです。後の時代に生まれる壁面装飾のモザイクと比較して、舗床(ほしょう)モザイクとも言われます。
床から発掘したモザイク片は、額の形に収めた形で、展示しています。
古代都市ポンペイ
現代のイタリア語でポンペイ遺跡は、pompeiと書く。
「Pompeii」。
特別展「ポンペイ」では、pompeiiとある。調べると、pompeiiは、ラテン語表記だという。
さて、注目のポンペイ 遺跡は、南イタリアのナポリからローカル線で30分強。日本からのツアーだとローマから日帰り観光も少なくないが、ローマ〜ナポリはけっこう遠い。
ナポリ湾を望み風光明媚(ふうこうめいび)なポンペイは、紀元前2世紀頃栄え、やがてローマ人の別荘地としても発展しました。
紀元79年ヴェスヴィオ火山の噴火で埋もれた悲劇の街ポンペイ。
1700年後の発掘調査により、古代都市のタイムカプセルとして、高度な文明と繁栄が証明されたのです。
ポンペイ の代表的な邸宅
「ファウヌスの家」「竪琴奏者の家」「悲劇詩人の家」。ポンペイ の代表的な3軒の邸宅から出土した至宝を通し、当時の繁栄ぶりが再現されています。
オプス・ウェルミクラトゥム全8点?
特別展「ポンペイ」出品のオプス・ウェルミクラトゥム、本ブログでは、6作品紹介しました。
他2点、「ファウヌスの家」出土のモザイクは、次回に引き続きます。公式カタログには「劇の準備」のオプス・ウェルミクラトゥムも掲載してあるのですが、見落としたかも、、?
「モザイクを見に行くぞ」と決め、”モザイクの目”で出かけても、展示会場では、目的の作品を探せない場面もあります。オプス・ウェルミラクトゥム のモザイク画は、テッセラ(モザイクピース)があまりに小さいため、注意しないと、絵画としてみてしまう事もあるほどです。
ご紹介はスマホ撮影です。崇高なモザイク芸術の細部伝達は不可能。ぜひ、ご自身の目で、オプス・ウェルミラクトゥムの世界を味わってみてください。あなたも、奥深いモザイク芸術にトキメキを覚えるかもしれません。
最後に 発音はオプス・フェルミクラトゥムでは?
個人的なイタリア語発音の意見ですが、opus vermiculatumは、オプス・フェルミクラトゥムあるいは、オプス・ヴェルミクラトゥムがよいかな〜と思います。展示ではオプス・ウェルミラクトゥム に統一されていたので、本ブログでは、展示表記に従いました。
ポンペイ 展チケット購入について
開催後まもなくだったので、直接会場で購入しました。理由は、PCから4、5度購入予約を試みたのですが、いずれも、カード情報を入力した時点で画面が飛んでしまったり、暗証番号を入力したら飛んでしまうというエラーが重なったためです。チケット購入窓口で聞くと、古いブラウザでは対応しない場合もあるそうです。macサファリでエラー連続でした。
特別展ポンペイ 会期2022.1.14-4.3 東京国立博物館
参照:特別展ポンペイ 公式カタログ
楽しく学ぶオプス・テッセラトゥム
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