ニキ・ド・サンファル彫刻庭園誕生へのドキュメンタリー映画
監督・撮影・脚本:松本路子さん、ナレーション:小泉今日子さん
20世紀を代表するフランス生まれのアーティスト、ニキ・ド・サンファル/Niki de Sant Phalle (1930-2002・画家、造形作家、映像作家)の生涯と作品を追いかけた写真家の松本路子さん。国内外の美術館に作品が収蔵されている松本さんは20世紀活躍した女性アーティストのポートレイトを【ひとり1枚】制作していました。ニキ・ド・サンファルだけはニキの大胆で自由な発想と遊び心に魅せられ、ヨーロッパ各地で作家と作品を撮影し、1981年から10年間交流を続けました。ドキュメンタリーは、ニキの代表作品【ナナ】たちや【タロット・ガーデン】の壮大な世界観だけでなく、【ナナ】誕生前の初期作品など、生前のニキの姿が収められています。”女”であることの深い闇と葛藤するニキ、【タロット・ガーデン】誕生まで、ニキは自分の作品によって自分自身の中から生まれ出る創造性と闘い昇華したアーティストです。映画にはニキが残した多くのメッセージを、次の世代に伝える想いが込められています。
私財を投じた【タロット・ガーデン】
奇跡の彫刻庭園【タロット・ガーデン】は、妥協することなくディーテイルにこだわり、1978年から20年の歳月をかけ創り上げられました。イタリア・トスカーナの”カパルービオ(capalbio)”は、グローセットという海沿いの町の、丘の上に位置します。ニキは建設中7年間を作品No.3女帝/The Empress の中で暮らしました。ニキの意思は、財団として存続しています。ドキュメンタリーでは、曾孫ドーン・カルデナス/Dawn Cardenasさんのエピソードや、当時ニキと共にタロット・ガーデンを作り上げた若者たちの物語も盛り込まれています。
未完のタロット・ガーデン
タロット・ガーデンは、ニキ一人が制作したのではない。ニキの想いに賛同した地元の人たちと協力して制作が進められた。当時若者だった彼らは現在もタロット・ガーデンの維持存続に寄与している。映画にはタロット・ガーデン制作途中の貴重な記録シーンも盛り込まれている。
新しい素材のポリエステルを多用したことで後年ニキは肺に深刻なダメージを受け最期は、サンディエゴへ転地しています。そこで生起を回復したニキは最後の作品制作に挑みます。
Viva Niki タロット・ガーデンへの道
2024/9/25公開ロードショー タロット・ガーデンへの道公式HP
2024/9/28 公開記念シンポジウム「Viva Niki タロット・ガーデンへの道」 登壇者:ブルーム・カルデナス(アメリカ・ニキ財団理事)・藤原えりみ(美術ジャーナリスト)・鏡リュウジ(西洋占星術研究家)・笠原美智子(長野県立美術館館長)・進行役・松本路子
試写会を終えて
試写会では、松本監督自らナレーション依頼した小泉今日子さん、エンディング音楽担当の小泉さんとユニットを組む黒猫同盟上田ケンジさんの登壇がありました。エンディングで流れる音楽はアイリッシュ・ブズーキという楽器が奏でている。東洋の音階と小泉さんの囁き声を織り込んだメロディーも最後まで聞き逃さないでほしい。
「ニキは自分自身ときちんと闘った人。悲しみや怒りを乗り越えて、自由で大胆だけど慈愛に満ちた作風に辿り着く。後略」小泉今日子。常に進化する小泉さんの活動もニキと重なるものがあるのではないでしょうか。
【タロットガーデン】イタリア語では、イル・ジャルディーノ・ディ・タロッキ・Il Giardino dei Tarocchi と表記します。
Il Giardino dei Tarocchi
Loc.Garavicchio, 58011 CAPALBIO Grossetto(Toscana)
1974年タロット・ガーデン設計開始
1998年タロット・ガーデンオープン設計開始
data del visito 写真撮影:Nahomi Okada2016/4
本テキスト参照:Viva Nikiタロット・ガーデン公式チラシ・パンフレットより
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